勉強を楽しくする方法78〜『強者の流儀』〜

総合格闘技の選手やYouTubeで活躍する朝倉未来さんの著書『強者の流儀』を読んで、学んだことを共有したい。

 

 

私は格闘技が大好きである。

私はかつて、Kー1の魔裟斗選手が好きだった。

実際に強いということはもちろんだが、その裏に圧倒的な努力があり、特集番組や雑誌でそれを観るのが好きだった。

 

 

ひたすらダッシュや筋トレに取り組む姿がそこにはあった。

そして、世界で戦う姿にやる気や気概を感じた。

そして、自分も毎日ストイックに体を鍛えたものだった。

 

 

そこからしばらく格闘技を観ることがなくなったが、数年前からまたそれが再燃し始めた。

 

 

そのきっかけが朝倉未来選手だった。

その魅力は喧嘩の本能が感じられたことだった。

そして、試合でのKOシーンは強烈なインパクトがあり、打撃力がある相手に対しても臆することなくカウンターを狙いに行く姿勢に闘志を感じた。

 

 

端的に言うと、リングに立つ姿全体に痛快なキレがあった。

空を切るパンチでさえ、ヒットの衝撃を彷彿とさせた。

 

 

そんな朝倉選手が本を出版したと言うことで、早速読んでみた。

 

 

私は日本史を教えていたこともあって、朝倉選手から感じることは、メンタル的には幕末の志士から明治にかけての政治家といったイメージだ。

 

 

それは、技術云々の前に譲らない芯があると言うこと。

ビジョンがあり、そこに全力で迫っていく姿勢。

そして、結果を取りに行き、結果を出してくる。

 

 

私が非常に参考になったと感じたのが、努力の方法だ。

 

 

私は社会人になってからと言うもの、努力というものは質より量だという風に考えてきた。

 

 

しかし、朝倉選手は量より質を重視する。

もちろん、基本的な努力や意思力は大前提の上での話だ。

 

 

ただ単にやみくもに努力するのではなく、無駄なことをバッサリ切り落とし、自分に必要なことに絞って努力をしていくこと。

 

 

そして、力がついてきたら、次のグレードに向けて練習方法を変えてみる。

 

 

これが、自分を客観視することにつながっていく。

 

 

意欲や情熱は大事だ。

しかし、それとともに自分を客観的に見てみることも大切だ。

そして、観察や研究を重ね、自分の姿が自分の目標にフィットしてきているかを第三者目線で確認する作業が重要となる。

 

 

このあたりの考え方が、自分にとって大きな発見となった。

 

 

知識や資格も大切であるが、それだけでは人からの借り物に過ぎない。

 

 

それを実地でどう活かすのかを考えてみる。

そして、それには研究を重ね、自分の頭で考えたり、想像したりする作業が必要なのだ。

 

 

人は安心感や楽しさを求めて、普段の生活を送ったり、勉強したり、トレーニングしたりしているのではないだろうか。

 

 

ビジネスマンで言えば読書で得た知識が役に立つ。

スポーツ選手で言えば、鍛え上げた筋力が役に立つ。

 

 

しかし、一方で知識や筋力に溺れてしまうこともよくある。

勝負よりも道具や手段に溺れてしまうのだ。

 

 

「自分は大量の読書によって得た知識があるから大丈夫だ。」

「どんなにしんどくてもベンチプレスを上げ続けた自分ならいける。」

 

 

自分の練習が、本番の自分を支えてくれるということも確かにある。

しかし、自分の成長を科学的に測るという視点も大切だ。

 

要は、それが成果に結びつく練習になっているかということを絶えず、考える必要があるということだ。

 

 

もしかしたら、無駄な練習をやってしまっていて、流されてここまで来たことを発見できるかもしれない。

 

休むことをあえて設けることが、より成果を生み出すかもしれない。

 

 

実は、量にかまけて自分の安心材料を作りたかっただけではないか?

 

 

無駄を削ぎ落とし、深く研究し、シンプルな結論に落とす。

そんな侍のような姿勢が、朝倉選手の魅力だと私は思う。

 

 

一度、持っている道具や知識や筋力を振りかざさず、自分の頭で考え、素の自分で戦ってみる。

 

 

その時に自分の個性が発揮されるかもしれない。

あるいは、情熱をさらに広く行き渡らせることができるかもしれない。

 

 

絶えず、学ぶ姿勢を持っていれば、どこまでも人間は成長していくことができる。

 

 

より遠くへ、より深く、より高みを目指そう。