勉強を楽しくする方法72〜未来価値を埋め込む〜
『億を稼ぐ勉強法』(小林正弥)の中で顧客価値を生み出すという考え方が登場する。
顧客が幸福を感じる成果や貢献ができる勉強こそが、本当の勉強だという考え方だ。
資格コレクターが持っている知識は代替可能であり、知識メタボの状態に陥っている。
士業の知識は高度でそれを習得していること自体は一つの到達点の表れであり、本人が努力できる証でもある。
そして、その知識は顧客のために活用できる。
ただし、知識を持っている状態が目的ではない。
逆に、知識のライセンスがなくても、顧客のために知識や情報を収集し、顧客を喜ばせるならば、それは知恵となる。
この知恵を求めていく勉強が本当の勉強だということである。
ただし、勉強にも色んなタイプがあるのかもしれない。
レオナルド・ダ・ヴィンチのように絵を描くために光や解剖学、機械工学や幾何学を学ぶ内に、純粋な知的好奇心が刺激され、自分の知的満足を満たすために学習を続けるということもある。
大学も学ぶこと自体が本来的には目的になっている。
学ぶことの楽しさを知り、自分で考え、答えを探す自学自習のスタイルが大学側が求めている学生像だろう。
知的欲求は人間の本能であり、学びは本来、寝食を忘れさせるほどに人間を没頭させるものである。
それは、楽しさそのものだったりする。
そして、知的好奇心から追いかけた学びの成果は、他の人にとっても有益である。
学びの共有をすることで、他の人も同じように幸福になるだろう。
レオナルド・ダ・ヴィンチは研究によって得た学びを共有しようとする姿勢は欠けていたかも知れない。
しかし、彼が残した膨大なメモやも「モナ・リザ」は私たちに人間の意義を考えさせ、科学の成果としても申し分のないものだ。
人間が好奇心に基づいて探究して手に入れた成果は、往々にして他の人の人生に大きな影響を与えることができる。
この「出口」を意識しているかどうかである。
資格で得る知識は、自分の向上のためであるかもしれない。
しかし、それで終わっては世の中に活かすことはできない。
むしろ、人のために活かすことを前提に置いて勉強をしていくことである。
人の満足を意識して勉強していくと、インプットの効率も飛躍的に上がるのだ。
そうすると、深い学びが可能となり、勉強はきっと新しい一面をみせてくれるはずだ。