勉強を楽しくする方法91〜明治時代〜

勉強を楽しくする方法〜明治時代〜
日本の幕末から明治時代という期間は、後世に世界を驚かせる時代になったのではないかと思います。


日本が成し遂げた急速な近代化の痕跡は、明治期の産業革命遺産群として世界遺産に登録されるほどです。


廃藩置県一つとっても、大した反乱もなくスムーズに実施されたことにドイツ帝国は驚いたと言われています。


この大規模な改革がもし成立していなければ、アジアはすべての国々が植民地化されていてもおかしくはなかったでしょう。


江戸幕府のもと敷かれていた封建制から、立憲君主制への変化は急激なものでした。

お雇い外国人を招き、徴兵制を実施し、鉄道を敷き、郵便制度を確立し、株式会社を設立し、中央銀行を打ち立て、帝国大学を創立し、まさしくスクラップ・アンド・ビルドを自分たちの手で成し遂げたのです。


武士と刀の時代があっという間に終わっていったのです。


この大改革は過去のこととして、今と切り離して学ぶべき教訓はないのでしょうか。


今まさに、大きな変革を目の前にしている時だと思います。
AIやビッグデータを基盤として、否応なく私たちの生活は日々変化を余儀なくされていくでしょう。
インターネットとスマホがこれまでの10年を一気に変えてしまったように。
より加速度的に全てを変化させていく。
実際、2025年の日本や世界はどうなっているでしょうか。
誰にも正確にはわかりません。
ただ、今よりも大きく変化していることだけは言えるのだと思います。


そして、今回のコロナショック。
これによって、在宅勤務や遠隔授業などの機会も増えてきました。
幸か不幸か、このタイミングで変革を後押しするような流れになってきているような気がします。


大きな変化を前にして、準備ができていなければ、人間はたじろいでしまいます。
そして、いくら本を読み、ニュースや動画を見て情報を集めてみても、実際どんな行動をとっていけばいいのかというのは難しいものです。


ただ、自分たちがこの歴史上初めて変化の荒波に揉まれることになるわけではない、ということを知ることができるのが一服の安心材料になるかもしれません。
先述の幕末から明治時代にかけては、国の根幹を揺るがす外圧がかかり、実際に国の存亡がかかっていた難局だったからです。


世界ではムガル帝国(インド)も滅び、清帝国も半植民地状態となるという事態が起こっていました。
アジアがヨーロッパ諸国に飲み込まれるという、目も覆いたくなるほどの惨状が、明日は我が身だったわけです。


そして、当時の日本人たちが敢然とその荒波に対峙し、乗り越えていったことは現在の私たちに大いに教訓となるのではないでしょうか。


少なくてもその心構えを知るために、当時の文献を読む価値はあるでしょう。
列強諸国の学問を吸収するために、当時たくさんの翻訳語が造成されたといわれています。
「哲学」や「社会」という言葉もこの時、できたものです。
現在でもあらゆる領域の学問を日本語で学ぶことができるのは、非常に幸せなことなのです。


このような変革に対峙する。
当時の人が何を思い、何を捨て、何を選んだのか。
そこに抵抗はなかったのか。
いや、あっただろう。
しかし、そうも言ってられなかった。
変わるしかなかった。
生き残るために。


これが正直なところだと思います。
技術や情報云々以前に、マインドが違ったというところが大きかったのではないかと思うのです。


当時の政治家たちが私利私欲ではなく、常に100年後の国家を見据えて日々生きていたのではないかと思うと、今の私たちにも訴えるものがあると思うのです。


後世にどんな日本を残すかという問題は、日本以前に地球を残せるかという、より大きな問題にも発展します。


今、そんな難曲を前にして、キレのある動きを再度、日本が見せることができるのかが問われているのだと思います。


そういう意味で、2021年の大河ドラマ渋沢栄一を描く「青天を衝け」になったのは、楽しみだと感じています。


進むために振り返り、一息入れることが大切ですね。